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47日目 2012年12月22日(土)

菩提の伊予から、涅槃の讃岐へ。徳島県、高知県、愛媛県と巡ってきた遍路道は、いよいよ四国最後の香川県に入りました。

実は、今日の常福寺(椿堂)→雲辺寺→大興寺という行程を、今の足の状態で乗り越えられるのか、本当に不安でした。

遍路道の最高点、標高910mの雲辺寺に至る約14kmの登り、そして標高差700mを越える急な下り。結果として、6時間間隔でしか飲んではいけない鎮痛剤を4時間間隔で3回服用して、雨中のルートを歩ききることができました。

ルートマップ
  ルートマップルートマップ

上の地図は「ゼンリンの利用規定」により上下2分割になっています。見づらくてごめんなさい。

時刻 場所 所要時間 距離 速度 区間起伏 注釈
6:55発  スーパーホテル四国中央  タクシーで移動  ※1
7:15着  別格14番 常福寺(椿堂)
7:20発 0:37 2.90 4.7 勾配1
7:57着  法皇ヘンロ小屋
8:02発 0:10 0.84 5.0 勾配1
8:12過  七田橋分岐
(遍路地図70-2の9.5k)
0:55 3.44 3.7 勾配3 ※2
9:07過  遍路地図H570地点
0:18 0.81 2.7 勾配3
9:25過  境目峠道との合流点
(遍路地図70-2のH520) 
0:56 3.82 4.1 勾配2
10:21過  佐野道との合流点
(遍路地図72-1のH665)
0:22 1.48 4.0 勾配2
10:43過  遍路地図H805地点
0:16 1.01 3.8 勾配2 ※3
10:59着  66番札所 雲辺寺
11:32発 0:08 0.49 3.7 勾配1 ※4
11:40着  スノーパーク雲辺寺
(下図参照)
12:29発 0:15 1.32 5.3 勾配1
12:44過  頂上線分岐
(遍路地図72-1の0.7k)
0:05 0.39 4.7 勾配3
12:49過  山麓駅への分岐
(遍路地図72-1の1.1k)
1.24 3.2 2.3 勾配3 ※5
14:13過  林道合流点
(遍路地図72-1の4.3k)
0:48 3.55 4.4 勾配2 ※6
15:01着  遍路休憩所
(遍路地図72-1の7.6kの先)
15:15発 0:21 1.90 5.4 勾配0
15:36着  67番札所 大興寺
15:56発  宿の送迎車で移動 ※7
16:06着  かんぽの宿 観音寺
日計 6:35 25.15 3.8
累計歩行時間225時間26分、歩行距離1053.90km、平均速度4.7km/h

上記マーク勾配マーク の説明はコチラ(別ウインドウが開きます)

注釈 ※1

一般的には、昨日の「松屋旅館」さんを発ち三角寺を参拝した後、「民宿岡田」さんに泊まり、その翌日に雲辺寺に登り観音寺駅周辺に泊まるルートをとる方が多いようです。今回、このような変則的なルートを採用したのは、途中三角寺へ登った上で「民宿岡田」さんまでの30kmを歩ききる自信がなかった事と、布団ではなくホテルでベッドに寝たいという思いからでした。結果として、「スーパーホテル四国中央」さんと「かんぽの宿観音寺」さんという2つの遍路宿としてはとても良かった宿に出会うことができました。

昨日タクシー移動したルートを逆にたどり、雨の降る中、椿堂からスタートしました。なお、ホテルから椿堂までの間にコンビニが2軒あります。

注釈 ※2

椿堂から雲辺寺へ至る遍路ルートは遍路地図に3コース出ています。その内、旧来の遍路道という「曼陀峠道」を選択しました。

七田橋から国道192号線を離れ、やがて山道に入ります。七田橋(H230m)から遍路地図のH520地点まで山道を一気に登りますが、雨の中でも歩行に不安はありませんでした。H520地点からは勾配は緩やかとなりH570地点に至り、ここから境目峠道との合流地点(H520m)まで一旦下ります。

遍路地図にはH570地点付近に「曼陀峠」という記載がありますが、私が歩いた当時H570地点には「境目峠」という看板が立っており、「曼陀峠」という表記には出会いませんでした。

注釈 ※3

雲辺寺

霧中の雲辺寺。

雲辺寺への遍路道は、それほど厳しい道ではありませんでした。標高が上がってきてからは雲の中に入ってしまい、全く視界が効かなくなってしまいましたが、晴れていれば気持ちの良い登山ができると思います。

雲辺寺に着いた頃には雨と汗で濡れて、お参りをしているうちにすっかり身体は冷えてしまいました。納経所での私とお寺の方との会話です…
  私 「どこかに休める所はありませんか?」
  寺 「は?」
  私 「濡れてすっかり身体が冷えてしまったものですから」
  寺 「歩いてきたの?」
  私 「・・・」
濡れた雨具を着ていたら車では来ていないでしょ。でも、この時は何も腹立ちませんでした。納経所の方が可哀想な気すらしました。帰宅後に調べてみると、雲辺寺の評判は芳しくありませんね。納得です。

注釈 ※4

ルートマップ

雲辺寺には寒さをしのげる所がないために、ロープウェイの山頂駅へ向かいました。山頂駅内はストーブが焚かれており温かかったのですが、ロープウェイを待っている方で一杯でした。ここの係の方がスノーパークのレストランの場所を教えて下さり、再び雨の中に出てレストランに向かいました。

スノーパーク雲辺寺のレストランは、スキー場が営業している期間のみオープンしているようで、開いていてラッキーでした。濡れていた雨具を乾かすことができ、温かい物も食べることができました。


注釈 ※5

雲辺寺からの下山ルートは、逆打ちでは登りたくないと確信させるほどの急勾配でした。標高910mの雲辺寺より林道合流点の標高172mまで、勾配を緩めることなく一気に下ります。登り以上に足に負担がかかりますので、万全でなければロープウェイの利用も考慮すべきかと思います。

山麓駅への分岐(遍路地図72-1の1.1k)から林道合流点(遍路地図72-1の4.3k)間の「雲辺寺から2.8km」という看板のある見晴らしの良い場所で5分間の休憩をとっています。この休憩ポイント辺りで雲の下に出て、雨も上がりました。

注釈 ※6

ルートマップ

左図は、遍路地図72-1左頁の岩鍋池付近の詳細図です。A地点は、H70地点、曼陀峠ロープウェイ駅経由24.5k7.6k(遍路地図の表記まま)を示しています。なお、遍路地図とは向きが90°違っています。

雲辺寺からずっと下り続けてきた道も、この辺りでようやく平坦となります。A地点で県道240号線を離れ、少し歩くと地元の左官屋さんが建ててくれたと言う遍路休憩所「みんなのお休み所」がありました。


注釈 ※7

当初は「民宿青空」さんに宿泊したいと考えていましたが予約を受付けていただけず、「かんぽの宿観音寺」さんに泊まることにしました。結果として、とても正解でした。また、ダメもとで電話をしたところ快く送迎を受けて下さり、大興寺からは車で移動しました。

遍路ルートを歩いてくると、大興寺へは裏手より訪れることになります。私たちは迂回して表側に回りましたが、裏手から境内に入られることをオススメします。なお、大興寺から神恵院へは再び裏手に戻るように遍路地図には示されていますが、石段を下りて山門側からも遍路シールによってルートが示されており、神恵院へ向かうことができます。よって、裏手より大興寺へ入り、参拝後は表側の石段を下りて山門をくぐり左折(北方向)し、神恵院へ向かうのが良いと思います。

かんぽの宿 観音寺

電話 0875-27-6161

ホームページ http://www.kanponoyado.japanpost.jp/yado/kanonji/

電話、ホームページのほか、楽天トラベル等の宿泊サイトより予約できます。

67番札所大興寺から4.1km

1泊2食 別館和洋室 (遍路プラン) 9,300円~

外観写真 夕食写真
外観 夕食
総 合 ★★★★ 少々料金が高いので★4です。
場 所 ★★ 遍路道から外れます。送迎は相談してみて下さい。
部 屋 ★★★★ 別館(新館)の和洋室は一人では贅沢な広さです。
清 潔 ★★★ 大浴場がキレイならば★4です。
風 呂 ★★★★ 加温加水の天然温泉です。朝風呂可。
食 事 ★★★ ごく普通です。
接 客 ★★★★★ とても一生懸命で笑顔が素敵でした。

今回は、大興寺まで送迎をしていただけました。状況によってはできない場合もあるようなので、宿泊予約の際に相談してみて下さい。

スタッフの方、皆さん笑顔で、気持ち良く過ごす事ができました。別館(新館)は、新しくキレイで、ちょっとだけ高い宿泊費が許容範囲内であれば、オススメの一軒です。

洗濯機(有料)あり、乾燥機(有料)あり。タオル・バスタオル・浴衣・歯ブラシ・ひげそり・お茶セットあり。

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