アウトドアや登山、ウォーキングの愛好者にとって、四国を一周する1,200kmという長大な遍路道は、憧れのトレイルと言えるでしょう。
私も以前より1度挑戦してみたいフィールドではありましたが、お世辞にも信心深いとは言えない自分にとって、それはちょっと敷居の高い道でもありました。
2012年の暮れ、機会に恵まれて56日間を掛けて遍路道を歩いてきました。このホームページは、その時の経験を元にして、これから歩き遍路を計画されている方へ情報提供をできればと思い作成いたしました。
ただ、1日40kmは歩いて短期間で回りたいとか、汚い宿も修行の内とかとお考えの方には、たぶん役立たないと思います。歩いて回りたいが、できれば楽しくとお考えの私のような遍路を志向される方には役立つ情報かと思います。
四国遍路の旅に先立って、数多くのガイドブックや個人のホームページを読みました。ガイドブックは歩き遍路の情報源として役立つものが少なく、個人ホームページやブログは、紀行文やエッセイとして大変楽しませていただきましたが、私の求めている情報には中々出会うことができませんでした。
私がプランニングをするにあたって求めていた情報は、次の4点でした。
- 宿の情報
- 遍路道上の某地点間の所要時間
- 複数ルートがある場合のベターな選択肢
- 持つべき・選ぶべき装備品
このサイトでは、1と2を「歩き遍路の記録」で、3を「おすすめプラン」で、4を「歩き遍路の装備(作成中です)」で情報提供しようと思っています。
遍路道のルート案内として、へんろみち保存協会が発行する「四国遍路ひとり歩き同行二人・地図編」という地図帳(以下、このサイトでは遍路地図と呼びます)があります。この遍路地図は、遍路道を巡る際の唯一の資料であると言っても過言ではありません。
私がお遍路をした2012年11月には、第9版第7刷が遍路地図の最新版でした。私はこの第9版を手にして遍路を歩きましたが、2013年3月に第10版が発売となりましたので、このサイトは第10版をベースにしてルートの説明をしています。
(以下2016年5月追記)2016年5月に第11版が発売されました。第11版をベースにしてのルート解説に変更していきます。
遍路地図は、独特の編集方法のため、時として参考にしたばかりに道に迷い混乱してしまうことを経験しました。 また、私のように四国に土地勘がない者が、この遍路地図だけで歩いていると、東西南北の方向感覚が狂うことがあり、「四国のどこ歩いているのか」ですら把握できなくなる瞬間も経験しました。決して遍路地図を批判するつもりはありませんが、なくてはならない資料だけに、この地図との付き合い方もご案内していこうと思っています。
2012年に通し打ちをした折に歩き遍路の先輩としてアドバイスや励ましをいただき、私の通し打ちを成功に導いてくれた群馬県の戸谷様が他界されました。
翌年の2013年に、戸谷様が2度目の歩き遍路をされている途中の種間寺でサプライズの待伏せをし、清滝寺まで一緒歩いたのが最後となりましたね。
お元気だっただけに、飛ぶようなスピードで歩かれる姿が思い出され、いまだに信じることができません。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。(2015年3月)