実際に歩いた経験の中から考えた、「歩き遍路のおすすめプラン」を作成してみました。全行程43日間、 1135kmの道のりになります。
おすすめプランは、次の基準で作成しました。
- 1日の歩行距離
- 1日30km以内にしています。
- 通し打ちで1000km以上の道を歩き切るには、1日30kmまでにしておくのが無難かと思います。
- Googleマップから区間距離を測っています。ただし、Googleマップに出ていない遍路道を経由する場合には、遍路地図(四国遍路ひとり歩き同行二人・地図編 第10版)から距離を拾っています。
- 歩行速度について
- 平坦路では時速4.5kmに設定しました。
- 山道等では状況に応じて、時速1.5kmから時速4.0kmの範囲で設定しています。
- 私が実際に通し打ちをした際の全行程の平均歩行速度は時速4.6kmでした。平坦路だけみると時速5.3kmほど出ていました。それと比較するとかなり遅いスピードで設定していますので、誰でも歩ける歩行速度であると思っています。
- 【以下 2014年1月 加筆】
- おすすめプランを参考にして歩かれた方より『歩くスピードが遅くて、このプランの時間通りには歩けなかった』とのご指摘をいただきました。
- 上記の通りに、おすすめプランでは「平坦路での歩行速度を時速4.5km」に設定してあります。これは休憩時間や信号待ちなどを含めた歩行速度となりますので、実際の歩行速度は、休憩の取り方にもよりますが時速4.7km程になるかと思います。
- サラリーマンなどが朝、スタスタと急ぎ足で歩いているスピードが時速約5.0kmです。この時速5.0kmは長距離を歩く際に疲れにくい速さと言われており、ウォーキング大会等でも参加者の多くが時速5.0kmのスピードで歩かれています。おすすめプランで設定している速度は、これよりも少しだけ遅い歩行スピードになります。
- 時速4.7kmの歩行速度がどの程度なのか、また、このスピードで歩き続ける事が可能なのかを把握されるためにも、ご近所を歩かれて事前テストされる事をオススメいたします。事前テントのポイントは、左記の「プラン雑言」をご覧になって下さい。
- なお、このおすすめプラン総トータルの歩行距離数は1135.0km、休憩を含まない歩行時間は283時間20分、平均歩行速度は4.0km/hとなります。歩行速度は坂道ではかなり抑えめにしてプランしたため、トータルでは4.0km/hとなりました。
- 宿について
- 全日、ホテルまたは旅館・民宿を利用しています。
- なるべく私の実体験に基づいたおすすめの宿を利用していますが、1日の歩行距離が30km以内という制限の関係で、付近のおすすめ宿が利用できない場合には、注釈を付けるようにしています。
- また、私自身が日頃ベッドを使用しているため、都市部では洋室のホテルを優先してチョイスしています。和室をお好みの場合には、宿選択を調整していただきますようお願いします。
- 朝夕食付の宿の場合は、朝食が取れる時刻に出発し、チェックイン時刻が決められている宿には、その時刻以降に到着するようにしています。
- 館内または隣接施設にコインランドリー等の洗濯施設がある宿のみを選んでいます。
- 昼食について
- 全日、昼食をとれるように設定しています。
- 遍路道上には、コンビニも食堂もないエリアがあり、「何とかなるだろう」と情報を持たないまま歩いた私は、何度か昼食を食べれず空腹のままで歩きました。このプランでは、そのような事にならないようにしています。
おすすめプランでは、高知市内に4連泊、松山市内に2連泊、西条市内に2連泊、高松市内に3連泊しています。 このほかにも、ホテルベルリーフ大月さんに2泊しています。
歩き終わった地点の最寄りの駅やバス停から、列車や路線バスで宿泊先まで移動、翌朝に再び歩き終えた地点に移動してから遍路を再スタートする。こんな方法を「ベースキャンプ方式」と呼ぶことにします。
私がまだ遍路に出かける前、何人かの遍路サイトで「ベースキャンプ方式」を採用されている方を見かけました。当時は、なぜこんな方法を取るのか理解できませんでしたが、実際に歩いてみると、この方法のメリットを実感しました。
ベースキャンプ方式のメリット
- 宿の少ないエリアでも、交通機関で移動することで宿の選択肢が増えます。
- 連泊中は宿に荷物を置いていくことができるので、納経に必要な物だけ持って身軽に行動することができます。
- 寝心地のよいベッドがあるホテル、居心地の良い宿を選んで、ゆっくりと連泊できることで、心身のリフレッシュができます。
ベースキャンプ方式のデメリット
- 宿と出発地点までの往復の交通費が掛ります。
- 本数の少ない路線バス等を利用する際には、バスの時間に合わせて歩かなければならなくなり、制約を受ける場合があります。
- 列車等での移動時間が増えるため、宿で休める時間が減ります。空身になった時のスピードアップによる歩行時間の短縮と、列車等の移動時間の増加とのバランスを考える事が大切です。
これからご紹介するプランでは事前設定していませんが、通し打ちを目指す方は、全く歩かない休足日(休息日)を10日~2週間に1日くらい設けることをオススメします。
私が歩いた時は、高知市、大月町、松山市(道後温泉)、丸亀市で休足日を設けました。一方で、高知までの間に歩行距離を短くした「ショート日」というの試みましたが、宿に早着しすぎて迷惑を掛けることになり、また短距離であっても結局は荷造りをして出掛ける事には変わりなく、あまり休息になりませんでした。
休足日を設けるメリット
- 完全休養することで、ゆっくりと身体のケアができます。足のマメは1日休むだけでも、正しいケアをするとかなり改善しますし、マッサージを受けることも長距離歩行を続けるためには重要になります。
- 自宅からの宅配便を受取ったり、アウトドアショップやホームセンターに出掛けたりすることで、装備の見直しや更新ができます。これは通し打ちを目指す者にとっては、とても重要な事です。
- 「あと3日歩いたら休みだ」「明日はゆっくり休める」・・・そう思いながら歩くと、元気に前進できるものです(笑)
【注意】 民宿や旅館の中には、昼間は部屋に滞在できない宿があります。そういう宿での休足日は成立ちませんので注意してください。休足日は、高知市・宇和島市・松山市・今治市・西条市などの、都市部のシティーホテルやビジネスホテルで設定するのが良いかと思います。 日中も利用できる大浴場が併設されていると最高ですね。
このおすすめプランは、次の方々から情報をいただき、加筆・修正をさせていただきました。ありがとうございました。
徳島県TM様、 三重県RS様、 大阪府TM様、 東京都TN様、 東京都HM様