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参拝用品

参拝用品は、日常から離れてお遍路の世界を訪ねるためのパスポートです。年に1度お墓参りをするかしないかという、御世辞にも信心深いとは言えない私であっても、見よう見まねで読経しながら88ヶ所を巡り、とても良かったと思っています。せっかく、お遍路の世界に足を踏み入れるのでしたら最低限の参拝用品を用意されてはいかがですか。

納経帳
納経帳は、88ヶ所の札所で御朱印をいただくための専用帳です。サイズは、標準サイズ(約25cm×約18cm)とミニサイズ(約20cm×約14cm)の2種類があり、歩き遍路の場合は、少しでも軽いミニサイズが良いと思います。 
納経帳は、表紙が金襴緞子風の物が多いのですが、2014年の開創1200年に合わせて、とてもシンプルなデザインの納経帳が発売されています。右のバナーからお求めいただけます。
納経帳には、札所用の88ページに加えて、空白が数ページ付いています。この空白ページは、別格札所や奥ノ院での納経に利用できますが、数ページではとても足りませんので、色々な御朱印を集めたいと思っている方は、88ヶ所用の納経帳とは別に御朱印帳を用意して下さい。
白衣
白衣 遍路道は時に住宅街などの生活圏を通り抜けています。そんな時、そこに生活している方々に「私は遍路」だと示すことは、互いの安心感につながる大切な事だと思います。白衣は、遍路としてのユニフォームであり、まわりの方に遍路だということを示すツールとなります。たとえ歩き遍路であっても、常時着用した方が良い物です。
白衣には、七分袖(長袖として売られています)の物と、袖なし(笈づると呼ばれています)の物があります。寒い時期に歩かれるのでしたら七分袖を、他の季節ならば袖なしを選んで下さい。
白衣は、大阪の巡礼用品店「いっぽ一歩堂」さんオリジナルの「新・軽爽白衣」をオススメします。私の知る限りポリエステル100%の白衣は、この商品だけです。
一般的に販売されている白衣は、綿または混紡(綿混)です。素材に綿が含まれているものは、汗が乾きにくく、シワも目立ちます。また、40~60日間、毎日着用していると、かなりヨレてしまいます。一方「新・軽爽白衣」は、生地のハリ感があるため、洗濯してハンガーに掛けておくだけでシワが目立たなくなります。また、ポリエステル素材のため、汗が乾きやすくベタツキ感がありません。歩き遍路にはベストチョイスだと思います。なお私は、いっぽ一歩堂さんの回し者ではありません(笑)。「新・軽爽白衣」は、通販でしかお求めになれませんので、出発前にご用意下さい。

菅笠
菅笠 一般的に菅笠(すげかさ)と呼ばれていますが、遍路用品店では、竹製の笠(竹笠)や檜製の笠も一緒になって販売されていました。直径が40cm位と50cm位の物の2サイズがあります。
笠には、頭を固定する五徳と呼ばれる台座がセットされていますが、この台座の大きさに個体差があるため、購入する際には実際に被ってみて、自分の頭にフィットする物を見つけなければなりません。よって、通販では購入しないで下さい。
私は1回目の遍路の時に1番札所の売店で菅笠を買いました。小さいサイズの方が風の影響を受けにくいと聞いていたため、直径40cmの笠で自分の頭に合う物を探しましたが、小さいサイズの菅笠は五徳も小さく作られており、頭サイズが55cmの私は、大サイズの笠を買わざるを得ませんでした。
遍路開始6日目、風雨の強い中を歩いた時、風で煽られて笠に付いてる首ひもで絞められる経験をしました。風雨が強いと菅笠は役に立たず、ザックカバーが付いているザックにも括り付けられずに手に持って歩かなければならなくなりました。結局それ以来、私は笠を被ることを止めてしまいました。今も私は、帽子を被って遍路道を歩いています。
白衣と同様に菅笠は、遍路のコスチュームとして不可欠の物ですが、残念ながら海沿いや山中を通る事の多い遍路道では、よほど天候に恵まれなければ邪魔になります。長期間の間には、雨や風の強い日もあるでしょうから、菅笠ではなく帽子を用意されることを私はオススメします。
金剛杖
金剛杖 金剛杖は、弘法大師の化身と言われ、お遍路ではなくてはならない物だと思います。歩行の助けになりますし、護身用の棒にもなります。
金剛杖の代わりとして、ノルディックウォークやトレッキングで使われているポール(ストック)を使っている方もいらっしゃいますが、私は遍路道には似合わないと思います。折りたためる物もあるので、自宅から四国までの移動時には便利なのでしょうが、四国では、やっぱり金剛杖の方が良いですね。
札所をひと回りすると、遍路道を突いて歩いた杖は、10cmほど短くなると言われています。私の場合は14.5cm短くなりました。金剛杖は新品で130cmありますが、これが88番札所に着くころには、115~120cmの長さになってしまうわけです。身長180cmの私には、それは短く、特に下りでは杖の頭の部分を上から持って使っていました。
遍路地図を発行しているへんろみち保存協力会では、歩き遍路用に長さ170cmのオリジナル金剛杖を販売しています。5,000円と一般に市販されている物の数本分の価格がしますが、とても丁寧に作られている逸品です。私は、手にする所に革紐を巻いて、2回目の遍路から使用しています。
経本
経本 私は2番札所の売店で薦められるままに左写真の経本を購入し、今も使用しています。札所で読経する「開経偈」「般若心経」「十三佛真言」「光明真言」「御宝号」「回向文」全てが掲載されており、とても便利です。
経本も何種類が販売されていますが、この経本が1番使いやすいと思います。実売価格は600円位です。表紙の色は写真のブルーの他にピンクがあり、1番札所周辺の遍路用品店でも入手可能です。
経本は1度使うとそれに慣れてしまうため、別な仕様の物には、なかなか変えることができなくなります。必ず内容をご覧になってからお求め下さい。
納札
納札 札所をお参りすることを遍路では「打つ」と言いますが、これは参拝する際に木製の札などを、山門などに釘で打ち付けたことに由来するそうです。現在は打ち付けるわけにはいきませんから、代わりに紙製の札を、本堂と大師堂の決められた箱に入れる事になっています。ちなみに納札は「おさめふだ」または「のうさつ」と読みます。
札所だけを考えると 88×2枚(本堂・大師堂各1枚)=176枚で済みますが、実際は、奥ノ院や番外霊場でも使用するため200枚でも足りません。私が歩いた時も終盤で足りなくなってしまいました。230~250枚は用意された方が安心かと思います。
納札は本来の用途のほかに、お接待を頂いた際に差し上げるようにすると聞いていましたが、私は1度も差し上げた事がありませんし、求められた事もありません。また逆に、私が車で回った折に、歩いているお遍路の方に接待をさせていただいた時も、納札を出そうとされた方は、わずか1名だけでした。それよりも親しくなった遍路同士で、名刺代わりに使用する場合の方が多いような気がします。 
納札には「年月日」「住所」「願意」「氏名」「年齢」の記入欄があります。「年月日」には「吉日」と記入しておくと、都度書かなくて済み便利です。「住所」欄は個人情報の関係もありますから、都道府県+市町村までにしましょう。詳細住所を記入していると色々な所からDMが届くらしいです。「願意」には「心願成就」と記載しておくと便利ですね。  
私は出発前に200枚記入して100枚を持参し、残りの100枚を途中の宿宛てに自宅から送ってもらいました。この200枚の記入は中々大変です。宿に着いてから翌日の分を書かれている方も多いようですが、歩き遍路は宿に着いてからも多忙ですから、事前に仕上げておくことをオススメします。なお、私は2回目の遍路から日付以外の文言のゴム印を作成しました。そうすると、あっという間に200枚の納札が完成!周りからは、それじゃ信心が足りないと言われています(汗)
納札ケース
納札を入れるための、首から下げる納札入が市販されていますが、使いにくいので、下記のようなケースを自作されてはいかがでしょうか。
納札ケース1 納札ケース2 納札ケース3
100円ショップで販売されている「ケース入定規セット」のケースを転用しました。 納札100枚と日付記入用のボールペンがピッタリ入るサイズです。 ダイソーさんで販売されています。定規固定用のリブはカッター切って下さい。
線香
線香は札所でも販売されていますが、100円ショップ等でまとめて購入して携行するのが良いと思います。しかし、歩いている間に折れてしまいバラバラになってしまう事が多いため、ここでは、携行法のアイデアをご紹介します。なお、市販されている「お遍路用線香ケース」や「お遍路用線香ローソクケース」などは、歩き遍路には少々大きく扱いにくいと思います。
線香1 線香2 線香3
線香は束になっている物を選んで下さい。バラバラになっている物は折れやすいのでNGです。上写真は3束100円の線香です。 線香ケースは100円ショップで、線香の束を持ってプラスチックケース売場の中を、サイズ合わせながらウロウロして見つけました。 ケースに入れると、折れませんし、湿気を帯びる心配もありません。未使用の線香は、このような状態で携行します。

線香4 線香5 線香6
使いかけの線香は、ビニール袋か割箸袋に入れます。上写真のビニール袋は、ホテルの歯ブラシが入っていた袋を切った物です。 線香は、ビニール袋に入れたままでケースに入れます。ビニール袋や割箸袋が緩衝材となり、折れにくくなります。 青色のケースは100円ショップで「携帯用の歯ブラシ入れ」として販売されていた円筒型のプラスチックケースです。
ローソク・ライター
ローソクとライターも100円ショップで揃います。私は長さ5cmのローソクを携行しました。ライターは必ずターボライターにして下さい。遍路では屋外でライターを使用しますので、通常のライターでは風があるとなかなか着火しません。
ローソク ライター NGパック
ローソクも購入時に入ってる箱は大きいため、プラスチックケースに移し替えて携行しました。 ターボライターも100円ショップで購入できます。 このようにまとめて携行すると、線香は折れ、ローソクは線香の粉で緑色…ということになりますのでダメです。
お賽銭
お賽銭 案外小銭って重いんです。必要最低限の枚数を携行し、札所の中には両替をしてくれる所もありますので、手持ちが無くなる前に納経所で両替をして下さい。
(敬虔なお遍路さんは、この先読まないでね)
何度もお遍路をされている方からこんな話を聞きました。『ササッと書いて、ポンと御朱印押して、紙切れ1枚渡し、300円なんてボッタクリもいいところ。札所には、ほっといてもわんさか人がやってくるんだから、賽銭なんて入れなくていい。別格や番外霊場にその分を入れている』。色々な考えがあるものです。
輪袈裟・数珠・持鈴
輪袈裟は、付けていると恰好いいですよ。お遍路スタイルの格が上がる感じがします。でも、『輪袈裟はネクタイ。歩き遍路はノーネクタイでOK』とサイトで拝見して納得。
数珠は、真言宗用の物を使用するそうですが、我が家は真言宗じゃないので別種の数珠しかないんですよね。…という事で、これも省略。 
持鈴を鳴らしながら読経すると本格的に見えます。しかし、読経自体がにわか仕込みなので、鈴を鳴らしてもなぁ~と思い、持っておりません。 
いずれにしても、この3種については、信仰の度合いによって、持参するかどうかをお選びいただければと思います。
さんや袋(巡拝バッグ)
参拝用品を入れるバッグとして、白い専用の巡礼バッグが販売されていますが、わざわざ買う必要はないと思います。前ページの基本装備のところで説明したサブザックやサブバックにまとめて収納し、ザックの1番上にパッキングすると良いかと思います。
【参拝イメージ】札所に到着したら、ザックを置けるベンチ等を見つけ荷物を置き、ザックの1番上から参拝用品の入っているサブザックを取り出します。そして、それだけを持って本堂と大師堂をお参りし、納経所で御朱印をいただいてから、荷物の置いている所へ戻りひと休み、再びサブザックをザックの1番上に入れてから、次の札所へ歩き出す…という感じです。

装備一覧

基本装備
ザック
雨具
地図
ザックカバー・防水パック
サブザック
ヘッドランプ

参拝用品

納経帳
白衣
菅笠
金剛杖
経本
納札
納札ケース
線香
ローソク・ライター
お賽銭
輪袈裟・数珠・持鈴
さんや袋(巡拝バッグ)
衣類
トップス(上衣)
ボトムス(下衣)
インナー(下着)
アウター(外衣)
その他の衣類
その他
洗面道具
くすり
洗濯用品
携帯電話
カメラ
ICレコーダー
非常用品
お金・カード
装備品一覧表(pdf)
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