おすすめプラン愛媛県編の後半30～37日目です。

第３０日目　【宿泊地／久米駅周辺】

久万高原から下ってきて、松山市内に入る28.0kmです。久万町市街より三坂峠に向かって、国道を緩やかに上って行きます。途中、桃李庵さんの所で国道を離れるように遍路地図には記載されていますが、そのまま国道を歩かれても良いでしょう。三坂峠からは、遠くに松山市内を見ながらの急坂下りとなります。足に負担を残さないようにゆっくりと下られることをオススメします。坂本屋さん跡を過ぎる頃から少しずつ平坦な道になります。

今日のルートでミスコースに注意すべき個所は3つあります。
1つ目は、宿を出て久万町市街地までの途中にある、峠御堂トンネル先のショートカットルートです。トンネルを出てすぐに左の小道に入っていくのですが、左折案内はありません。トンネルを出て右側に東屋がありますが、そこまで行くと既に行き過ぎています。
2つ目は、久万町市街地の遍路地図56-1の10.4k地点です。遍路地図も現地の遍路シールも右折となっていますが、右折してしまうと「於久万大師」は通りません。直進して国道55号線に出てしまうのが正当です。
３つ目は杖ノ淵です。杖ノ淵へは、西林寺手前のサンクスがある交差点を左折して下さい。まもなく杖ノ淵公園の駐車場入口があり、そこから入り、駐車場を過ぎる辺りで右側に行くと湧水があります。駐車場から奥が公園になっていますが、公園に入ると湧水場所へは遠回りになってしまいます。

久万町市街地を過ぎると西林寺の周辺まで、飲食店もコンビニもありません。このプランでは、最終コンビニのサークルK久万入野店さんで弁当等を購入して、網掛石で食べるようにしています。

網掛石周辺には東屋もベンチもありませんので、荒天時には手前の三坂峠休憩所か坂本屋跡で昼食にして下さい。

日帰り温泉施設「たかのこの湯」に併設されているたかのこのホテル（TEL089-960-1588）さんに宿泊します。2012年11月にオープンした新しいホテルです。ホテルのホームページから予約されるのが良いようです。洋室、素泊まり（レストランあり）。

ここまで来ると道後温泉も松山市街も目の前です。伊予鉄道久米駅まで歩いて、明日宿泊予定の松山市内のホテルや、道後温泉に宿泊されるのも良いかもしれません。道後温泉には1人で泊まれる温泉宿やドミトリーなど、様々な形態の宿泊施設があります。

第３１日目　【宿泊地／松山市内】

松山市内を巡る19.5kmのショートデーです。名湯道後温泉での入浴を組み入れています。ほぼ平坦路ですのでノンビリと歩きましょう。 四国88ヶ所めぐりの中で、3つの国宝の建造物を見ることができます。石手寺の二王門、太山寺本堂、本山寺本堂（39日目に参拝）ですが、今日はその内の2つを見る事のできる特別な1日です。

道後温泉から太山寺まではいくつかのルートがありますが、今回は、道後温泉→山頭火一草庵前→山越郵便局→遍路地図6.0k交差点（大川橋交差点）→甲ルート→大将軍神社→太山寺というルートを採用しています。このルートで注意する点は、国道196号線を歩いてくると、遍路地図6.0k交差点手前のスーパーセブンスターさん前で現地の遍路シールは、右折指示が出ています。そこを右折すると、その先が分かりにくいため、曲がらずに国道を進んで下さい。スーパーセブンスターさんから500mほどで遍路地図6.0k交差点に到達します。この交差点では、橋を渡ってから（渡るのがポイント）畑田本舗菓子店さん脇の川沿い道に入って下さい。それが甲ルートとなります。

この日の前後に完全休足日を設けられたらいかがでしょうか。通し打ちを目指されている方は、このあたりで休息して心身のリフレッシュをするべきかと思います。 松山城や坂の上の雲ミュージアムなどの観光地へ行ってみるのも良いですし、足のマッサージを受けるのも良いかもしれません。また、装備品の更新や補充をするも必要かもしれません。

道後温泉に美味しいイタリアンのお店があります。 「il positano（イル・ポタジーノ）」さん、営業時間11:00～23:00、無休です。パスタもピザも美味でした。場所はホテル・オーベルジュ道後1階、伊予鉄道の道後温泉駅近くになります。

松山市内に戻り東京第一ホテル松山（TEL089-947-4411）さんに宿泊します。コインランドリー、レンタサイクルがあります。洋室、素泊まり（レストランあり）。

松山市内には他にも多くの宿泊施設がありますし、松山駅から市電に乗れば、道後温泉もすぐです。松山市内でのおすすめ宿がありましたら、情報をお寄せ下さい。

第３２日目　【宿泊地／今治市内】

陽光に照らされた瀬戸内の海を見ながら歩く、気持ちの良い1日です（晴れてれば…笑）。アップダウンは1個所だけの楽な行程ですが、荒天の場合には風が強いルートでもあるので、気を付けて下さい。

遍路地図(60-2、61-1、62-1)の円明寺から鎌大師までの間は、いくつかのルートが示されています。このプランでは、伊予和気駅から石手寺の脇を抜けて、堀江郵便局前を通過し、海沿いの県道347号線、179号線を歩き、養護院に立寄るコースを採用しています。

今日お昼は、遍路地図60-2の養護院先の12.0k（遍路地図62-1では11.9k）地点の交差点角にある、セルフうどん根っこさんにしました。営業時間11:00～20:00、無休です。

セルフうどん根っこさん手前のスーパーマルナカさんには、マクドナルドが併設されています。また、伊予北条駅周辺にも何軒かの飲食店があります。

伊予亀岡駅周辺には宿泊施設がありませんので、今治まで移動して、今治アーバンホテル（TEL0898-22-5311）さんに宿泊します。本館と新館がありますが、ベッドの寝心地にこだわりのある方は、ぜひ新館をお選びください。なお、私が宿泊した2012年には、お遍路のお接待として今治タオルをプレゼントしてくれました。本館も新館も今治駅前です。洋室、素泊まり。

今治市内には、数多くのシティホテル、ビジネスホテル、旅館がありますので、宿泊サイト等で探してみて下さい。

今治の名物グルメは、焼き鳥です。それも私たちが日ごろ慣れ親しんでいる串刺しの焼き鳥ではなく、「鉄板焼鳥」と呼ばれる独特の調理スタイルで供される焼き鳥です。ホテルから近い老舗の「鳥林」さんにぜひ行ってみて下さい。疲れた足を引きずってでも行く価値があります。場所は、ホテルのフロントで教えていただけます。 17時からの営業、日曜定休です。

第３３日目　【宿泊地／58番札所周辺】

昨日歩き終えたＪＲ伊予亀岡駅まで戻って歩き始めます。ホテルに大きな荷物を置いていっても良いでしょう。半日は納経用品だけで歩くことができます。今日のルートは、延命寺先の大谷霊園の所が丘になっており、ここが緩やかなアップダウンになっているほかは、平坦路です。ただし、最後の仙遊寺は標高300mの高台にあり、結構キツイ登り坂が待ってます。ここを歩き終えると宿ですので、最後の力を振り絞ってがんばって下さい。

今日の昼は、ジャンキー好きにはたまらない、今治B級グルメ「焼豚玉子飯」の老舗、重松飯店さんです。 不味いわけがありません。遍路ルートから少しだけ寄り道になりますが、ぜひ！営業時間11:45～14:00、18:00～22:00、月曜定休です。

月曜日で重松飯店さんがお休みの場合には、今治駅周辺に飲食店がありますので、利用して下さい。

私が通し打ちをした時に一緒に歩いたM氏。彼は滅多に宿の希望を言わないのですが、唯一泊まってみたいと言っていたのが、精進料理で有名な仙遊寺宿坊（TEL0898-55-2141）です。 その時はスケジュールが合わずに泊まることができませんでしたが、今回はここを中心にしてプランニングをしてみました。とても評判の良い宿坊です。和室、2食事付。

仙遊寺の宿坊が満室の場合には、山を下った所にホテル・バリ・イン（TEL0898-33-0909）さんがあります。

第３４日目　【宿泊地／旧小松町周辺】

今日は、仙遊寺を出て、59番札所国分寺→61番札所香園寺→62番札所宝寿寺と、60番札所横峰寺を飛ばして3ヶ所の札所を巡ります。もし、札所順にこだわりがあり、59→60→61→62と回りたい場合には、下記の「遍路のミニヒント」を参考にされて下さい。

日切大師から香園寺までのルート
①日切大師を出て大明神川を渡ったら遍路地図のルートを離れ、県道159号方面へ直進します（遍路地図64-2）。
②少し道が細くなってきますが、道なりに進んで下さい。
③やがて、高速道の高架が見えてきます。その高架手前を右折して高速道の側道に入ります。
④側道を2.2km（約30分）ほど歩き、高速道を見上げて「東予丹原出口」の緑色看板が見えたら、その先の交差点を左折して下さい（交差点には何も目印がありません）。
⑤東予丹原インター前を過ぎ、県道48号線との交差点（ホームセンター有）も直進します（遍路地図66-1）。
⑥そのまま県道144号線を進み、小松中学校交差点を左折します。
⑦奥ノ院白滝入口の看板を通り過ぎ、ヤマサンセンターさん手前の交差点を右折して、小道に入ります。
⑧250mほどで髙鴨神社の鳥居が見えてきます。ここを左折（案内板あり）して香園寺に至ります。

62番札所宝寿寺は、納経所の受付時間が短かったり、住職がご機嫌斜めだったりする可能性がありますので、事前に61番札所香園寺の駐車場に設置されている「四国八十八ケ所霊場会６２番礼拝所」を参拝しておくことをオススメします（徳島県MT様よりの情報）。

道の駅「今治湯ノ浦温泉」で早目のランチにしています。「海峡めし」がオススメ、営業時間9:00～18:00、無休です。

道の駅での昼食が早いと感じられても、東予丹原インターの先まで、コンビニも飲食店（途中、たこ焼き屋さんが1軒だけあります）もありません。

歩き遍路では、とても有名なビジネス旅館小松（TEL0898-72-5881）さんに宿泊します。 地元の肉屋さんが経営する旅館で、1泊目の夕食は豚の肉なべ（しゃぶしゃぶの場合もあるみたい）、連泊者の2泊目は牛のすき焼きです。食べきれないほどのボリュームです。施設も古く、清潔度も落ちるのですが、歩き遍路の方が多く利用されていますので、情報交換にもうってつけです。和室、2食事付。

小松旅館さんが一杯の場合には、ちょっと離れていますが、湯の里小町温泉しこくや（TEL0898-76-3388）さんがあります。

小松旅館さんが2017年1月に新築されました。場所は、元の建物の裏手になります。 大きな家庭風呂が2か所、脱衣所のトイレはウオッシュレット付き、ずらりと並んだ洗濯機、乾燥機ともに無料でした。1泊目の食事は豚しゃぶですが、お肉苦手な人にはお魚対応してくれます（東京都HM様よりの情報）。

札所順に回りたいとお考えの方は、日切大師から60番前札所清楽寺へ直行し、参拝後に宿に入って下さい。その場合、この日の歩行距離は25.5km、小松旅館さんへの到着想定時刻は15:25です。
翌日は、岡村ルート（常盤採石場経由）で横峰寺に登り、白滝奥ノ院経由で下山し、香園寺→宝寿寺→吉祥寺→前神寺と参拝し、西条アーバンホテルさんまで歩きます。その場合の歩行距離は28.9km、ホテルの到着想定時刻は17:30になります。下記に紹介している35日目のプランと比べて横峰寺下山後の距離が少し長く、より厳しい行程となります。

第３５日目　【宿泊地／伊予西条駅周辺】

今日は横峰寺への山登りです。遍路全行程の中で5本の指に入る難ルートですが、大きな荷物を置いていけるこのプランならば、天候にさえ恵まれれば、さほど心配する必要はないかと思います。ただし、街歩きとは違い登山ですから、体調を整えて臨んで下さい。また、水は十分に持参して下さい。飲料水の自販機は、採石場の手前に1ヶ所と横峰寺にあります。

横峰寺登山を終えて、小松旅館さんまで戻ってきたら、後の行程は平坦路です。しかし、山登りで足に負担が蓄積されていると思いますので、無理をせずに歩いて下さい。伊予小松駅から伊予西条駅までの国道11号線には路線バスが走っていますので、必要に応じて利用されることも考慮して下さい。

初めて遍路地図を手にして横峰寺までのルートを考えた時、日切大師から生木地蔵→妙雲寺→湯浪と経由して横峰寺に登り、白滝奥ノ院から香園寺へ下山するルートを選ばれる方が多いと思います。私も初めはそうでした。しかし、地元の複数の方から『湯浪を経由するコースは、時間が掛るから止めておいた方がいい』と言われて変更した記憶があります。なお、横峰寺へのルートについては、いろいろ情報に詳しく書かせていただいていますので、参考にして下さい。

小松旅館と横峰寺の間には、飲食店も商店もありません。そして、お弁当を持って上がるのも重いので、下山後にＪＲ伊予小松駅前の マルブン小松本店さんで昼食としています。美味しいと地元で評判のレストランです。営業時間11:00～22:00、無休です。ランチの予定時間が遅めですので、山でバテないように朝ごはんをたくさん食べておいて下さい。

マルブンさんの他にも、伊予小松駅から吉祥寺までの国道沿いには、ラーメン店や喫茶店等があります。

今日の宿は西条アーバンホテル（TEL0897-53-5311）さんにしました。 伊予西条駅前にあります。今治アーバンホテルさんの新館同様に寝心地の良いベッドです。公式ホームページから早割で予約するのがお得です。温泉ではありませんが大浴場もあります。連泊します。洋室、素泊まり。

伊予西条駅には他にも多くのホテルがあります。なお、 前神寺近くの湯之谷温泉（TEL0897-55-2135）さんもオススメです。湯之谷温泉さんに宿をとるとこの日の行程が楽になりますが、翌日は32kmほどの距離になります。

第３６日目　【宿泊地／伊予西条駅周辺】

今日は、昨日と打って変わって山も札所もなく、単調な1日です。同じホテルに連泊するプランですので、完全空身でスピードアップして早目に歩き終えてしまいましょう。明日からはまた、山登りが待ってます。

体力に余裕があれば、プラス4.8kmになりますが、ＪＲ伊予寒川駅まで歩いて下さい。明日の行程がずっと楽になります。

デイリーヤマザキ新居浜船木店さんでお弁当を購入して、遍路道沿いの三栗山地蔵院で食べるプランにしています。昼時に飲食店はありません。

昨日と同じ西条アーバンホテル（TEL0897-53-5311）さんに連泊するプランにしています。連泊しない場合には、伊予土居駅近くの松屋旅館（TEL0896-74-2008）さんをオススメします。その場合、明日の行程が長くきつくなりますので、松屋旅館さんを通り過ぎて、少しでも先まで進み、電車で戻ってくるようにされて下さい。洋室、素泊まり。

第３７日目　【宿泊地／旧池田町周辺】

長かった愛媛県とも今日でお別れ、まずは三角寺まで急坂を登り、一旦椿堂まで下りてから、再び明日の雲辺寺へ向けて、標高を上げていくルートです。

遍路地図70-1の三角寺の横に、甲乙丙の3つのルートの距離数が記載されていますが、どれが甲で、どれが乙・丙なのか、さっぱりわかりません（笑）。たぶん、三角寺への車道が3本あるよ…という事なのでしょうが、このテキトウさがいかにも遍路地図らしくて素敵です。しかし、こんな遍路地図を見て『迷うのも修行のうち』などと嘯く方がいるのには、ちょっと呆れますね。

伊予三島駅周辺を離れると、宿まで飲食店もコンビニもありません。このプランでは、遍路道沿いのコンビニで食料を調達して、三角寺で食べるように計画しています。

松山道の三島川之江IC近くに養鶏場が営む、たまご専門店「熊福」さんがあります。玉子食べ放題の玉子かけ御飯がおすすめです。営業時間9:30～14:00、水曜定休です。場所は、遍路地図70-1の三島川之江インターの「高速バス用P」のそばになります。

今晩の宿は、民宿岡田（TEL0883-74-1001）さんです。雲辺寺登山口にある唯一の宿で、実際に泊まられた方に聞くと、『設備は古いもののとても良い宿』という評判を多く聞きました。人気の宿ですので、早目に予約を入れて下さい。和室、2食事付。

民宿岡田さんが満室の場合は、他の宿を紹介していただけるようですので、まずは電話を入れてみて下さい。

愛媛県終盤の横峰寺と雲辺寺のプランニングは、宿が限られているだけにかなり悩みました。日程に余裕がある方ならば、次のように計画すると、ずっと楽に歩くことができると思います。
　35日目　小松旅館→横峰寺→小松旅館→吉祥寺→前神寺→湯之谷温泉（泊）
　36日目　湯之谷温泉→延命寺→伊予土居駅　※伊予土居駅から伊予西条駅へ列車移動して宿泊
　37日目　（伊予西条駅→）伊予土居駅→三角寺→スーパーホテル四国中央（泊）
　38日目　スーパーホテル四国中央→椿堂→雲辺寺→民宿青空屋